ブリリアント・レンタルワイフ5

実体験小説
わたしが妻を他人に抱かせる理由
ブリリアント・レンタルワイフ 
5

「アナルがね、ひくひくしているだろう。もうすぐだよ。君」

 ヴァギナの入り口の肉が膨張し、児玉の指に密着していた。薄いアンダーヘアーが逆立ち恥丘の盛り上がりをよりいっそう目立たせていた。へその下あたりの筋肉が間断なくひくついている。

 

と、児玉の指の動きが急に早くなった。美憂の性器が、ぴちゃぴちゃぴちゃと、猫が水を飲むときのような音を奏でる。

「ああっ、だめえっ、でちゃうっ、出てしまいますっ! あっ、あああっ!」

 

美憂が太ももを大きく広げて叫ぶ。

児玉によって与えられた変態的な快楽が、美憂の羞恥心を打ち砕いた瞬間だった。

「はぁぁぁぁ……」

 と、美憂の性器から大量の液体が迸った。それは公園の水のみ場から噴出する水のようだった。最初はじょーっと長い時間をかけて、その後も間欠泉のようにぴゅーっぴゅーっと噴出してくる。

「あはは、出た出た。真下君から聞いてはいたが、こんなに見事な潮吹きを披露してくれるとは。真下君も素晴らしい女房をもらったものだよ」

 美憂を果てさせた児玉が部屋から出て行くのと入れ替わりに夫の真下敬一が入ってきた。

 ソファの付近のカーペットが濡れているのをみて、敬一は笑った。カバーもまくっていないベッドの上で裸身を横たえている妻はまだ夢うつつの世界をさまよっているらしい。

 部屋には美憂の体臭が漂っていた。

 敬一は美憂のふくらはぎにキスをした。唇はヒップを這い、やがてまだ桃色に染まっている美憂の耳たぶを噛んだ。

「で、どうだった?」

 ほんの一時間前に初めて出会った男の前で、快楽の潮吹きを披露したその部屋で、敬一は、ベッドの上でぐったりとなっている妻に尋ねた。この夜はその後、ホテルの一室で夫と過ごす算段である。

 美憂は、まるで全精力を使い果たしたマラソンランナーのように虚脱し、全裸の肢体を横たわらせていた。夫の問いに美憂がうっすらと目を明けた。顔を半分だけベッドに埋めてちょっとだけ微笑む。

(いいことがあったのよ、とても気持ちよかったわ)。

 若妻の瞳が艶かしく輝いた。半開きになった口元からかすかに甘い吐息が洩れていた。

「ボーイさんにフェラチオをしてあげたわ」

 美憂が全裸の肉体をよじって、甘ったるい声で答えた。

「児玉さんの言いつけでそうしたのか?」

「ええ、そうよ」

「ボーイは嫌がらなかったか?」

「全然。むしろしてくださいっていう感じで私の目前でズボンを下ろして」

「ボーイのそれはどんな感じだった? 大きかったか、俺のよりも」

「ううん。子供のようなおちんちんだった。まだ、皮を被っていたわ。カチカチに勃っていたけど包皮がむけていないの。私はそれをくるんって剥いてあげて。ちょっと臭いがしたわ」

「でもお前は躊躇らうことなく、口に含んだんだろう?」

「ええ、そうよ、とっても淫らに。おちんちんの根元まてきちんと咥えて」

 夫の質問に答えているうちに、美憂の脳裏にその時の光景が浮かび上がってきた。

 ペニスの先端に舌を這わせ包み込むようにしてしゃぶると、ボーイは腰を引いて「あああっ」と呻いていた。その様子が美憂にはとても滑稽に見えた。

「なにをにやついているんだい?」

「うふふ、思い出し笑い。あなたには教えてあげない」

 

 美憂はそう言うと、ベッドの上に大の字になった。そうしてもなおバストの膨らみがはっきりと見て取れる。

 美憂はこの日、夫の要望で見知らぬ男に貸し出されたのだった。まるでビデオのように。

    

 夫の敬一は姿こそ若いが、すでに四十も半ばを過ぎた中年男性だった。

 妻との歳の差は三十近くある。だから、というわけでもないのだろうが、この夫は普通の夫婦生活では性的欲求を充たせないでいた。経験が豊富であるがゆえの倦怠。それが真下敬一の性だった。

 二年前に結婚した当初こそ若い妻の肉体を求めたが、それは半年も続かなかった。

 夫婦の営みが途絶え始めた頃になって美憂は自分が夫に嫌われているのではないかと思ったらしい。もちろん、美憂への愛がさめたのではなく、ただ単にセックスに対する興味がなくなってしまっていたのだった。

 敬一はそのことを美憂に正直に伝えたが、若い妻には通じなかった。自分を求めないことがイコール愛の消失と美憂はとらえてしまった。

 そんな時、敬一はふとあることを思いついた。特別な根拠などないそれは変態的といえばあまりにも変態的な行為だった。

 変態的な提案は夫から突然出された。

「美憂、お前、他の男としてみたくはないか? これから先、たった一人の男としかセックスしないなんて人生の楽しみを放棄するようなもんだぞ。なっ、俺以外の男に抱かれてみろよ。きっと思いもかけない発見があるはずだよ」

 その意味を理解しかねる若妻に、夫はことの真意を説明した。

「他の男に抱かれてその時の様子を克明に報告してくれよ。俺はそれを聞きながらお前を抱く。そんなことでもしないと俺はもう興奮しないんだ」

 あまりの申し出に美憂は唖然となった。と、同時に「離婚」の二文字が脳裏を駆け巡った。この夫にはジェラシーというものがないのだろうか。とにかく常識外の話だ。

「そんなの、いや」

 美憂の反応は当然だった。そして、いったん敬一は美憂の拒絶を受け入れたかに思えた。

 しばらくの間は、そのに話題を口にしなかったからだ。だが、敬一はあきらめてはいなかった。敬一は美憂と顔を合わせるたびに、変態的な要望を口にする。  ついに美憂は根負けした。いや、というよりも何度も何度も夫にそのことを願い出られるたびに暗示にかけられてしまったのかもしれなかった。「愛する夫のためなら」という大儀もあった。一ヵ月後、美憂は夫の申し出を承諾した。

(続く)

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